学習対象言語の歌を聴く事は、外国語の上達にとても役立ちます。リスニングの練習になるという事は言うまでもありませんが、歌詞の中には、教材の文章には出てこない表現があったり、その歌が作られた国や時代特有の内容が盛り込まれていたりしますので、学習に幅と深みを持たせるためのツールとして使わない手はないと言えます。
そこで、私がおすすめするスペインの歌手、ラテンアメリカの歌手、そして日本で活躍するラテンアメリカ出身の歌手を、数回に分けてじっくりご紹介していきたいと思います。
スペインの歌手
まずは、スペイン人の歌手からご紹介したいと思います。私がスペイン語を勉強し始めた時にすごく流行っていた歌手の方々で今も第一線で活躍しています。当時、覚えたてのインターネットショッピングでアルバムを取り寄せ、ワクワクしながら毎日聴いていた事を思い出します。
(この辺のエピソードから、何となく私の年齢も絞られてきそうですね。20代は消えましたね。ご興味はないと思いますが。〖✍興味がない=No me interesa.〗)
🎤エストパ(ESTOPA)
兄のダビ(David)と弟のホセ(José)、バルセロナ(Barcelona)出身の兄弟デュオです。まず私は単純に、ダビのビジュアルが大好きです。短髪、髭、美しい目、整ったしっかり眉毛、表情豊かによく動く眉毛。初めて見た時には、思い描く理想の顔だと思いました。(その後月日は流れ、なんやかんやで今はエルネスト・チェ・ゲバラが殿堂入りです。)
ホセは髪型が少し変わっていて、正面から見ていると気付かないのですが、後ろ髪の左の一部だけ伸ばしています。私の中でずっと謎なのですが、今の今まで深掘りした事がないので、これからも謎は謎のまま置いておく事にします。万が一本人に会ってもその事には触れないと今決めました。
見た目の事はこれぐらいにして、音楽的な事に話題を移しますと、ギターの奏で方がめちゃくちゃかっこいいです。ピックを使わずに指先を巧みに操り演奏します。是非検索して動画をご覧頂きたいのですが、♪ジャカジャカ パン♪ジャカジャカ パン♪と、弦をかき鳴らしてはギターのボディーを手のひらでパンと叩くんです。それがなんともかっこ良くて見入ってしまいます。
歌声は、ダビが男らしい重低音でメインボーカルを務め、ホセが伸びやかな高音でハモります。曲によっては完全にフラメンコ調のものもあり、スペインを感じます。
歌詞はユーモアがあり、韻を踏む事も多いため、私の個人的な感想としてはミスチルの要素があると思います。そして、独特の世界観があって、歌詞の意味を理解するのが難しい時があり、雰囲気をそのまま感じ取るに留めた方が楽しめるという点においては、スピッツの要素があると思います。男性デュオでギターを弾くという意味ではゆずですね。
余談ですが、2019年(令和元年)5月現在、神戸のサッカーチーム、ヴィッセル神戸で活躍中のアンドレス・イニエスタ(Andrés Iniesta)選手はこのエストパの大ファンだそうです。
🎧エストパの曲で好きなもの
🎸Rumba Triste
🎸Tu Calorro
私にとってうれしいニュースが飛び込んで来ました。エストパの新しいアルバムが発売決定したそうです。具体的な発売日は未定ですが、時期としては今年2019年の10月頃の予定です。2015年に発売された、『Rumba a lo desconocido』以来4年ぶりのリリースという事で、ファンの期待が高まっています。
🎤アレックス ウバゴ(Álex Ubago)
ソロのシンガーソングライターです。バスク(País Vasco)の出身です。アレックスのバラードは、そのストレートな歌詞と、優しくやわらかい歌声が胸に響きます。恋人を思う気持ちを歌った曲も多く、恋愛においての喜びや、別れの悲しみ、それを乗り越えた先に手にする強さを見事に表現しています。しかしその内容は、ただ単に恋愛にだけ当てはまるものではなく、友人や家族への愛の歌として、また万人への応援歌として捉える事も出来ると思います。私がアレックスに重ねる日本人アーティストは、BIGIN・森山良子さん・森山直太朗さん・財津和夫さんです。イメージは重ならないけど、アレックスに歌って欲しい日本の曲は、海援隊の『贈る言葉』です。
アレックスの曲の歌詞は、複雑な言い回しや理解しにくい比喩表現が少ないので、スペイン語学習を始めて間もない方が聴き取りの練習に活用されるのはおすすめだと思います。曲のテンポがゆっくりなので、何度か聴いているうちにすぐに口ずさめるようになるので、学習意欲が向上する事請け合いです。
🎧アレックス ウバゴの曲で好きなもの
🎸Aunque no te pueda ver
🎸Si preguntan por mí
今回は、おすすめの歌手、スペイン編を書きました。次回、おすすめの歌手、ラテンアメリカ編をお届けしたいと思いますので、そちらも覗いてみて下さいね。